「家を留守にするとき、ぬか床はどうすればいい?」


こんにちは、発酵食品マニアのすえさやです^^

ぬか床には色んな菌が住んでいるので菌のバランスを保つためにも日々の「かき混ぜ」が必須!
だけど家を長期で留守にするとなるとそのお世話はできないし「仕方ないから捨てちゃうか…」ってなる人は意外と多いですよね。

すえさやすえさや

とくに小さいぬか床だと新しく買うのも作るのも簡単だからすぐに捨てちゃいがち。

でもそれって今まで漬けてきた野菜のエキスも無駄にする=今まで漬けてきた時間をすべてゼロにするってことなので超もったいない!


なので今回、私がお話しする「ぬか床の管理方法」をあなたもぜひやってみてください。
実践すれば1週間~半年くらい休めるし、元のぬか床で再開できるから今までのお世話も無駄にはなりませんよ。

ちなみに私はお盆や年末年始に1週間ほど実家に帰るときにやっていますが、留守じゃなくてもぬか床をちょっとお休みしたい…なんてときに使ってもOKです^^


ということでこれから留守にする期間ごと(1週間と長期)でぬか床の管理方法をお話ししていきますが、まずは留守の期間が1週間くらいのときの対処法からお話ししていきますね。


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1週間くらいの旅行なら管理は簡単!留守前にすることとは?

~こんな状態では留守にできません!~

ぬか床に1週間留守番をさせるときに気をつけてほしいのは、ズバリ「水分量」と「塩分量」!

これは普段のぬか床にも言えるんですけど、塩分濃度が低いと雑菌やカビ菌が増えやすくなるんですよね^^;(水分が多くても塩分濃度が低くなって雑菌やカビ菌が増えやすくなる)

とはいえ普段はかき混ぜによってぬか床の表面にも雑菌の増殖を抑えてくれる乳酸菌がいるので、水分量と塩分量の管理が甘くてもそんなにすぐカビが生えたりはしません。


でもかき混ぜができない留守中、乳酸菌は空気が苦手なのでどうしてもぬか床の底にもぐったままになるんですよ…。
すると水分量と塩分量の管理が甘いぬか床はどうなるか?

そう、表面が完全に無防備になってそこはカビにとってのパラダイス!
あっという間にカビが生えます。

だからぬか床に休んでもらうときはと・く・に!
水分量と塩分量には気をつけないといけないんですよね。


じゃあ、ぬか床に含まれている水分量と塩分量をどう調節していけばいいのか…家を1週間留守にするときの管理方法はこちらです^^

ぬか床を1週間留守番させるときの管理方法

  1. ぬか床の野菜をすべて取り出す
  2. 足しぬかをして、ぬか床の水分量を減らす
    (足しぬかに塩が入っていない場合は塩(ぬかカップ1に対して小さじ1)も追加して、ぬか床が味噌よりも硬めになるようにする)
  3. ぬか床をちょっと食べてみて「しょっぱーい!」と思えるか確認
  4. ぬか床を上から押して空気をしっかり抜き、表面を平らにする
  5. 容器のまわりについたぬかを綺麗に拭き取る
  6. いつも通り容器に蓋をして完了
    (保管は夏なら冷蔵庫、冬は常温でOK!)
  7. 使い始めるときはぬか床をよく混ぜ、何回か捨て漬けをしましょう
    (すぐに使うと、ぬか床の塩分が多くなっている状態なのでかなりしょっぱいです)


ここでのポイントは、

  • ぬか床の水分量を減らす:足しぬかをして、感触を味噌よりも硬めにする
  • ぬか床の塩分量を増やす:ぬか床をちょっと食べてみて「しょっぺー!」って思えるか

の2つ^^

ただ、塩はぬか床全体になじむまでにちょっと時間がかかるので、個人的には足しぬかや塩を足すのは留守にする当日じゃなくて5日前くらいにしておくのがおすすめかな。(そのときから食材は漬けない!)

そして足しぬかをして2日目にぬか床を食べてみて、しょっぱければよし、足りなければ足しぬかをしてまた2日後に食べてみる…というようにしましょう。

こうすればぬか床全体に追加した塩がちゃんといきわたるし、正しい塩分濃度を見ることができますよ。

あ、それと、留守中にぬか床を保管しておく場所なんですけど…夏場は1週間くらいの留守でも必ず冷蔵庫に入れておいてください!

ぬか床に住む菌は温度が高く(25度以上)なると活発になるんですが、1週間も家を留守にするとなると当然クーラーも切って出かけるじゃないですか…。

そうすると室温も一気に急上昇!
その結果(いくら塩を多くしているからといっても完全に発酵を止めることはできないので)菌たちは爆発的に増加。

家に帰ってぬか床を見てがく然。
過剰発酵に変なニオイに…ぬか床がめちゃくちゃになっている可能性が大きいんです^^;

実は私、「昔は冷蔵庫なんて無かったんだから、常温でいけるはず!」と思って、そのまま留守にしたことがあるんですけど、大失敗しました。

帰ってきて、驚愕(笑)
ぬか床はパンパンに膨れ上がり、表面はなんか白くなっているし、臭いもなんかおかしい…。

そりゃ室温40度の部屋に置きっぱなしっておかしくもなりますよね。
結局、もとに戻すのに2~3週間くらいかかりました^^;


最近の夏は異常なくらい気温が上がるので、菌の活動をより抑えるためにも冷蔵庫で保管したほうが安心だし再開もラクですよ。

もしも容器が大きくて冷蔵庫に入らないときは、面倒だけどジップロックとか小さな容器にぬか床を移しかえてから冷蔵庫に入れてください(ちなみに冬場は気温が低く菌の動きも鈍くなるので、常温で保管しても大丈夫です)


ということで、ここまで1週間という短めの留守をするときの管理方法を紹介してきました。
もしも1週間程度の留守をすることがあれば、ぜひこの方法を使ってみてくださいね♪

ただ1週間よりも長く留守にする場合、この方法だとぬか床の発酵がゆっくりとすすみ、その結果ぬか床がおかしくなってしまう可能性があります^^;
なので、長期で留守にするときは次の管理方法を行うようにしましょう。

家を長期で留守にするときのぬか床の管理方法は2つ!

~管理を怠ると色がおかしくなることも…~

前の章でお話しした管理方法だと、短期間の留守なら問題なくても長期間の留守になると少しずつですがぬか床の中の菌は増えていってしまいます。

発酵は止められないから仕方ないんですけど、なかには増えすぎることで変なニオイを出す菌もいるので、長期間留守にするときは短期間の留守のとき以上にぬか床の菌の増殖を抑える対策をしないといけません。


ただ、困ったことにぬか床内の菌の増殖を抑えるということは、雑菌の増殖を抑える働きのある乳酸をつくる乳酸菌が増えるのも防ぐということで…。
ぬか床自体が周囲の雑菌にたいして弱くなってしまうんですよね。

だから家を長期で留守にするときは、ぬか床の中の菌の増殖を防ぎつつ、周りからやってくる雑菌の増殖も防ぐ必要があります^^;


じゃあ長期間留守にするとき、ぬか床をどう管理すればいいのか…。

実は方法は2つあって、

  1. 冷凍
  2. 塩を使う方法(冬のみ有効)

があるんですよ。

それぞれがどんな方法なのかはこれから詳しくお話ししていくので、あなたもしやすいほうで管理してみてください^^
ではまず「冷凍」での管理方法からお話ししていきますね。

ぬか床を長期間留守番させる場合の管理方法その1:冷凍


ぬか床の冷凍は冷蔵よりも温度を下げることで菌の活動を止め、長期の保管ができるようになっています^^

それに冷凍は季節をとわずにできる方法だし、長期間ぬか床を保存する方法としては一番ラクかもしれません。


ではそんなぬか床の冷凍をどうやってするのか、再開するときはどうすればいいのか、やり方を見てみましょう。

ぬか床の冷凍方法

  1. ぬか床に漬けている野菜をすべて取り出す
  2. ぬか床が味噌より硬めになるように足しぬかをする
    (足しぬかに塩が入っていないときは塩も!(ぬかカップ1に対して小さじ1))
  3. ぬか床を押し固めて空気を抜く
    (冷凍庫に容器が入らない場合は、ぬか床を移しかえましょう)
  4. 乾燥予防のため、ラップをぬか床にピッタリ貼り付ける
  5. しっかり蓋をしめて冷凍庫へ


ちなみに私は大きなカメでぬか床を管理しているので、どうやっても冷凍庫には入りません。

なので別に移して冷凍しているんですが、個人的にはジップロックが1番おすすめですね。


ジップロックだと

  • 空気を抜きやすい
  • わざわざラップで覆う必要がない
  • ニオイ漏れしにくい
  • 平らにできるから冷凍庫内であまり場所をとらなくてすむ
  • 日付を書いたりもできる

のでかなり便利ですよ(サイズもいろいろあるし!)


ということで、ぬか床の冷凍のやり方でした。

さて、冷凍したらお次は解凍!
凍ったぬか床を元に戻す方法をお話ししていきますね^^

冷凍したぬか床の再開方法

  1. 冷蔵庫で解凍する
  2. 解凍できたらぬか床を常温に移動させる
    (冷凍するときに容器を変えた場合はこのときに元の容器に戻しましょう)
  3. 全体をよく混ぜ、捨て漬けを数回する
  4. 3回くらい捨て漬けをしたらちょっと味見してみて、塩辛すぎないか確認
    (しょっぱすぎたら捨て漬けをまた数回行いながら味見)
  5. 酸味が出てくるまでは常温で管理し、かき混ぜをやりすぎないように2日に1回くらいで行う
  6. 酸味が出てきたら普段通りのお世話に戻ってOK


ぬか床を冷凍していると、その温度の低さから菌は増えることができずどんどん減っていきます。

だから解凍して最初にやることは、ぬか床を常温に出して菌の活動を再開させてあげること。


…と言うと「だったら最初から常温で解凍したらいいじゃん」って思うかもしれません。

でも常温だと急速に解凍されてよくないんですよね。
私が常温で解凍してしまったときはなぜかぬか床から水分が出てきて、ぬかも手触りがごわごわになってしまいました^^;

だからぬか床を変化させないためにも解凍は冷蔵庫でゆっくり、溶け終わってから常温に移動させてくださいね。


あ!そうそう!
ぬか床を冷凍できる期間はだいたい「6~7ヶ月」くらいになります^^

私はそれ以上の期間で冷凍したことがないので分からないんですが、私が半年くらい冷凍したときは「ぬか床のいい香り」がだいぶ落ちちゃってました…。

美味しいぬか床に戻す(ぬか床に酸味を出させる)のにも時間がかかったし、冷凍がいくら長く保存できるとしてもできるだけ早く戻してあげたほうがいいでしょう。


ということで、冷凍による長期間のぬか床保存についてのお話はこれでおしまい!
お次は「塩」を使った管理方法を見ていきますよ~^^

ぬか床を長期間留守番させる場合の管理方法その2:塩を使う


塩を使ったぬか床の保存は常温で行うものなので、夏ではなく冬におすすめの方法です^^

常温で管理できるので、大きなカメで大量のぬか床を持っている人にとっては冷凍するよりもラクなはず!


ではさっそく詳しい方法をお話ししていきますね。

塩を使ったぬか床の管理方法

  1. 出かける5日前にぬか床に漬けている野菜をすべて取り出す
  2. 足しぬか(塩が入ってない場合はぬかカップ1に対して塩小さじ1)をして、ぬか床の水分量を減らす
  3. ぬか床が味噌の硬さよりも硬くなるようにする
  4. ぬか床の空気をしっかり抜いて平らにしたら、容器の周りを綺麗に拭く
  5. 熱湯消毒した布巾を濡らしてよ~く絞り、ぬか床の上にピッタリ貼り付ける
  6. 布巾の上から塩を重ねて強く押し固める(ぬか床が1kgなら1.5cm、私は4kgのぬか床なので5cmくらい塩を重ねます)
  7. 容器の周りを食品用のアルコールまたはホワイトリカーで拭いて消毒
  8. 容器の上に不織布(ふしょくふ)または新聞紙をかけ、虫が入らないようにゴムで縛ったあと蓋をする
  9. ほこりが被らないように容器の上からビニール袋ですっぽりおおって、常温で保管
  10. 復活させるときは布巾と塩を取って、ぬか床をよくかき混ぜる
  11. 何度か捨て漬けをしたら使い始められます^^


この塩を使う方法も冷凍と同じく、半年くらいぬか床をお休みできるので「冬の間はぬか漬けを作らない」なんて人にもおすすめです^^

準備がちょっと面倒だし、しかも常温管理だから冷凍みたいに簡単にいつまでも保存…というのはできないけど、ぬかの香りが落ちたり冷凍臭がついたりはしないのでお好みでどちらかをどうぞ。

すえさやすえさや

ちなみにこのとき使った塩はしっけて固まっているのでフライパンで炒ってパラパラにすると普通に使えますよ。
…ちょっとぬか床の匂いがするけどね(笑)

ということで、ここまで家を留守にする期間(季節)に合わせた管理方法をお話ししてきました。

最後に復習もかねてまとめておくのて、ふり返ってみましょう。

まとめ

  • 1週間程度の留守の場合のぬか床の管理方法
    1. ぬか床の野菜をすべて取り出し、足しぬかをする
    2. ぬか床の空気をしっかり抜いて、表面を平らにする
    3. 容器の周りを綺麗に拭き取ってフタをする
    4. 夏なら冷蔵庫、冬は常温で保管すればOK
  • 長期の留守の場合、ぬか床の管理方法は冷凍と塩を使う方法の2つがある
  • ぬか床を冷凍する方法
    1. ぬか床に漬けている野菜をすべて取り出し、足しぬかをする
    2. ぬか床の空気を抜き、表面にラップを貼りつける
    3. フタをしめて冷凍庫へ入れる(容器が大きい場合は密封できる入れ物に移しかえる)
  • 塩を使ってぬか床を休ませる方法
    1. ぬか床の中の野菜をすべて取り出し、足しぬかをする
    2. ぬか床の空気を抜いて平らにしたら、容器のまわりを拭く
    3. 熱湯消毒した布巾を濡らしてよく絞り、ぬかの表面にピッタリ貼り付ける
    4. 布巾の上に塩を盛り、強く押し固める
    5. 容器の周りを食品用のアルコール、またはホワイトリカーで拭く
    6. 容器に不織布などをかけてゴムで縛り、フタをする
    7. その上からビニール袋ですっぽりおおい、常温で保管する


今回はぬか床にお留守番してもらうための管理方法をお話ししたけど、大事なのは

  • 水分量を少なめに
  • 塩分は多めに
  • 温度は低く
  • 空気に触れさせない

という4つのポイントを守ることです。

ぬか床は生きているので毎日変化していますが、留守にしているときはその様子を見ることはできません。

だからこそ留守にしている間にぬか床が変なことにならないように、出かける前にちゃんと対策をしてあげてくださいね^^

「ぬか床のお世話について」電子書籍あります

私は今でこそ色んなぬか漬けを楽しんでいますが、最初からサクサクできていたわけではありません。
ぬか床のお世話方法も含め、なにからなにまで全て祖母のおかげ。

ぬか漬け歴50年以上の祖母に教えてもらったこと、そのときのやりとりを忘れないように…という個人的な目的がメインでもありますが、せっかく教えてもらったんだから私の経験談とともにあなたにも共有できたら…と1冊の本にしました。

ぬか床に慣れていないあなたの助けに少しでもなれれば嬉しいです。

本のもくじ

1.ごあいさつ
 1-1.すえさやはこんな人です!
2.それではさっそく!ぬか床をどこで管理しましょう?
 2-1.冷蔵庫管理にはメリットが3つ
 2-2.冷蔵庫での管理にはデメリットも…
 2-3.常温管理だとメリットは3つ
 2-4.常温での管理にもデメリットが…
3.ぬか漬けの美味しさのカギは「かき混ぜ」
 3-1.あなたのぬか床に合った混ぜる頻度は?
 3-2.ぬか床を適当に混ぜるのはNGです
 3-3.かき混ぜは素手か手袋か?
4.ぬか床がビシャビシャ。それマズくなる原因です!
 4-1.ちょっとの水抜きなら「キッチンペーパー」におまかせ
 4-2.水たまりも「水抜き器」なら楽~に対処できる
 4-3.水抜きできて、しかも美味しい「乾物」
5.ところで、足しぬかのやり方知ってる?
 5-1.お手製ぬか床にこだわるなら「ぬかも塩も自分で用意」
 5-2.時間もお世話も楽に短縮するなら「市販の粉末ぬか床」
 5-3.ブランドの味でぬか漬けを食べたいなら「市販の熟成ぬか床」
 5-4.足しぬかの頻度?タイミングを見て決めるんだ!
6.【番外編】ぬか床さんお留守番(お休み)をお願いします!
 6-1.1週間くらいの留守ならコレとアレに気をつけるべし
 6-2.長期の留守またはぬか床をお休みさせるなら
7.おわりに

電子書籍はAmazon kindleにて販売しており、Amazon kindleUnlimited(読み放題)にも対応しています。
気になる方はこちらからどうぞ


ハピパリ運営者 “ すえさや ” ってどんな人? 

  • 「広島県」出身の「福岡県」住まいのアラサー主婦(生い立ち
  • 発酵食品と猫LOVE
  • ゲームも好き
  • 韓国語の勉強中

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