「本格的なオイキムチを作ってみたい!」


こんにちは、発酵食品マニアのすえさやです^^

以前、白菜キムチ水キムチの作り方をお話ししましたが、今回は「オイキムチ(きゅうりのキムチ)」の作り方をご紹介します^^

もちろん他のキムチの作り方と同様、こちらも韓国人の方に教えていただいたので作り方は本格的。
ぜひおうちで本場の味を楽しんでみてくださいね。

それではさっそくオイキムチの作り方をご紹介…する前に1つ質問。
あなたは「オイソバギ」ってご存じですか?

実は日本でのオイキムチのイメージって人によっては「オイソバギ」であることも多いんですよ。
「オイキムチ」か「オイソバギ」かで作り方が若干変わるので、あなたのイメージを知っておきたいところ。

なのでまずはそれぞれの違いについてさくっとお話しするので、あなたが作りたいのは「オイキムチ」なのか「オイソバギ」なのかはっきりさせましょう。

作り方についてはオイキムチもオイソバギもどちらもお話しするので安心してくださいね。


スポンサーリンク

あなたのイメージの「オイキムチ」はどっち?

まず、オイキムチ。

オイキムチ(오이김치)は

  • 「오이(オイ)」=きゅうり
  • 「김치(キムチ)」=キムチ

で、言葉的にはきゅうりを使ったキムチ全般をさすんですが、韓国でオイキムチというと「食べやすく切ったきゅうりにヤンニョム(キムチの素)を混ぜたもの」になります。

これがオイキムチ↓


そしてオイソバギ(오이소박이)は

  • 「오이(オイ)」=きゅうり
  • 「소박이(ソバギ)」=詰め物をすること

なので、きゅうりに切り込みを入れ、その中にヤンニョム(キムチの素)を詰めます。
なのでオイキムチとは見た目が全然違うんですよ。

これがオイソバギ↓


また、発酵具合も

  • オイキムチ:すぐに食べられる浅漬けタイプが多く、発酵期間は短くて即日、長くて3日
  • オイソバギ:しっかり発酵させることが多く、発酵期間は短くて1日、長くて1週間

と変わってきます。

でも日本ではオイキムチとオイソバギがはっきり分かれているわけではないですよね。

なので今回は「オイキムチ」の作り方としてどちらの作り方もお話しするので、作るときにお好きなほうを選んで作ってください^^

それでは作り方を見ていきましょう。

本場韓国のオイキムチの作り方

※食品用の手袋を用意してください
※キムチを漬ける容器は密閉できて色移りやニオイ移りしてもいいものを用意してください

オイキムチの材料(作りやすい分量)

メイン材料

きゅうり:4本

きゅうりを塩漬けするための材料

  • 粗塩:きゅうりや水の重さに対して3~5%
  • 水(使う場合):きゅうりが浸かるくらいの分量


韓国ではキムチを作るとき「天日塩(韓国語でチョンニィリョム:천일염)」がよく使われます。

ミネラルが多く健康にもキムチの味にもいいとのことなので、本格的に作りたいなら韓国の塩が一番ですが、なければ日本の塩でも大丈夫。

ヤンニョム(キムチの素)の材料

  • にら or 青ねぎ:1/2束(約50g)
  • 玉ねぎ:1/2個
  • 粗挽きの唐辛子粉(韓国産):大さじ3
  • 細挽きの唐辛子粉(韓国産):大さじ3
  • カナリエキス or ミョルチエキス:大さじ2
  • アミの塩辛:大さじ1
  • おろしにんにく:小さじ1
  • おろししょうが:小さじ1
  • 梅エキス:大さじ2
  • 砂糖:小さじ2
  • 白ごま:大さじ2


ここで、たぶん聞きなれないであろう材料についてちょっと説明しますね。
その材料がない場合の代わりになるものも紹介するので、準備するときの参考にしてみてください^^

唐辛子粉「粗挽き」と「細挽き」について

唐辛子粉の粗挽きと細挽きにはそれぞれ

  • 粗挽き:色鮮やかで香りが華やか、辛さは控えめ
  • 細挽き:舌触りがなめらか、辛さが際立つ

という特徴があり、キムチを作るときは色味を出すのに「粗挽き」、辛さの調節に「細挽き」が使われます。

私は今回の唐辛子粉の割合を「粗挽きと細挽き半々」にしていますが、実は韓国でも辛いのが苦手な人は粗挽きだけで作る場合もあるとのこと。

なので、もしもあなたが辛いのが苦手でしたら全部粗挽きにしてもかまいません^^
逆にもっと辛くしたい場合は細挽きを多めにしてくださいね。

ちなみに、使う唐辛子粉の産地は香りがいいので韓国産がおすすめです。


カナリエキスとミョルチエキスについて

日本ではあまり馴染みがないですが、カナリエキス(韓国語でカナリエッジョ:까나리액젓)は「いかなごの魚醤」のことで、ミョルチエキス(韓国語でミョルチエッジョ:멸치 액젓)は「イワシの魚醤」のことをいいます。

この2つのエキスはキムチのうま味を強くするために絶対に欠かせないもので、韓国ではどちらかひとつは必ず入れるし、味にこだわる人は両方入れたりするくらい必須アイテムです。

なので本格的なオイキムチを作るならどちらかは入れてほしいところなんですが、どうしても無いときは「ナンプラー」で代用可能です(カナリエキス or ミョルチエキスと同量)

でも「それすらない!」なんてときは仕方ありません…無添加の醤油(カナリエキス or ミョルチエキスの半量)を使いましょう^^;

魚醤ではないので香りやうま味は弱くなりますが、魚臭さがないのでさっぱりしてこれはこれで美味しいですよ。


アミの塩辛について

アミの塩辛(韓国語でセウジョッ:새우젓)は小エビを塩漬けにしたもので、オイキムチに発酵のうま味や塩気を与えてくれます。

オイキムチ作りにはかかせないんですが、ない場合はみじん切りした「イカの塩辛」でも代用可能。
ただ、ものによって塩気や香りが強いものがあるので必ず少量ずつ試してくださいね。


梅エキスについて

梅エキス(韓国語でメシルチョン:매실청)は日本にもある「梅シロップ」のことで、作り方も日本と同じ(容器に青梅と砂糖を同量入れて作るもの)です。

キムチに入れると味がまろやかにそして深みが出るので、韓国では多くの家で使われています^^
梅の季節になると韓国ではよく作られるそうなんですが、日本では作らない家庭も多いですよね。

だから家にない場合は「すりおろしりんご」で代用しましょう(梅エキスと同量)
私も今回は梅シロップがきれていたので、すりおろしりんごで代用しました。


さて、これでオイキムチを作るのに必要な材料が全てそろいましたね。

ここからいよいよオイキムチの作り方を見ていきますが、切ったきゅうりとヤンニョムを混ぜたものを「浅漬けタイプ」、きゅうりに切り込みを入れてヤンニョムを詰めたものを「発酵タイプ」として紹介しています。

お好きなほうで作ってください^^

オイキムチの作り方

※下準備:ヤンニョムに入れる野菜は洗って乾かしておく

1.きゅうりを洗って水を拭き取る

このとき、きゅうりの重さをはかってメモしておきましょう。

2.きゅうりの両端を切り落とし3等分にする

3.きゅうりを切る


浅漬けタイプのオイキムチを作るときは、きゅうりを縦に十字で切ります。
きゅうりの種が多い場合は種も切り落としておきましょう(種を残してオイキムチにすると食感が悪くなる)

発酵タイプのオイキムチを作るときは、きゅうりを十字に切りますが最後まで切らないよう切れ込みだけにしておきます。

このとき韓国でもよく使われているんですが、ジャムなどのビンのふたにきゅうりを乗せて切ると最後まで切り落とすことがないのでサクサク作業できますよ↓

4.きゅうりを塩漬けする


きゅうりを塩漬けにするとき「きゅうりに塩を直接ふる」か「塩水にきゅうりを浸けるか」の2種類の方法があります。

それぞれにメリットとデメリットがあるので、お好きなほうを選んで漬けてください^^

ちなみに塩の量がきゅうりや水の重さの3~5%と差がありますが、しっかり発酵させたい場合は4~5%のやや濃いめがおすすめです。

塩を直接ふる方法

きゅうりの重さの3~5%の塩をきゅうりに直接ふりかけて軽くもみ、しばらく置いて水抜きをします。
まんべんなく漬かるように途中で混ぜましょう。

  • メリット
  • 短時間で水が抜ける
  • 味がしみこみやすい
  • 水っぽくなりにくく保存性が高くなる
  • デメリット

塩が強くあたるときゅうりがしぼんだり、塩辛くなったりする

塩水に浸ける方法

きゅうりが全部浸かるように水を入れ、その水の量に対して3~5%の塩を入れます。
塩水から出ていると水抜きできないので、重しをするかジップロックなどで漬けるのがおすすめです。

  • メリット
  • 全体に均一に塩がまわるので味にムラがない
  • 塩のあたりがやわらかいので、ややマイルドな味に仕上がる
  • デメリット

水分が抜けきらないことがあり、発酵が進んだときに水っぽくなることがある

塩漬けの時間はどちらの方法でも浅漬けにする場合だと30分~1時間、発酵させる場合だと2~4時間が目安になります。

ただ、きゅうりの太さや塩分濃度によって漬け時間が変わってくるので「きゅうりから水がしっかり出る・曲げても折れないやわらかさ」になるのを目標に漬けるといいでしょう。

少し余談なんですが、韓国では塩水を沸騰させてから漬ける場合も多いとのこと(日本にも熱湯漬けってありますよね)

でも韓国のテレビ番組で料理人さんが「熱湯は早く漬けたりするのに使うけど、水のほうがきゅうりの食感と味は長くもつ」と言っていたので今回は紹介しませんでした^^

また、塩漬けするときに砂糖を一緒に使うことも多いみたいですよ。
砂糖を使うとより早く脱水できて、おまけにきゅうりの青臭さや苦みも減らすことができるんですって。

塩漬けだけでも人によって全然違うし、韓国ではキムチが家庭の味って言われるのも納得ですよね。


さて余談はここまでにして、次の行程にいきましょう。

5.きゅうりをザルにあげて水を切る

きゅうりに塩を直接ふりかけた場合は水100ml(分量外)を入れて軽く混ぜ、そのあとザルにあげます↓


きゅうりを塩水で塩漬けした場合は、そのままザルにあげます。水で洗いません↓


ザルにあげたら余分な水分をキムチに入れないために30分以上置いて乾かしておくのがおすすめです。
きゅうりの量が少ないならキッチンペーパーでさっと拭き取ってもいいですね。

さあ、次はオイキムチのヤンニョムを作っていきましょう。

6.野菜を切る


浅漬けタイプの場合はきゅうりの長さと同じくらいで切り、発酵させるタイプの場合はきゅうりに詰めやすいように薄く短く切ります。

7.切った野菜とヤンニョムの材料をすべて混ぜる


ヤンニョムを混ぜるときは絶対に素手でやらないこと!

素手でやると色素がついてしばらくとれなくなるし、すごくヒリヒリするので必ず食品用の手袋を使ってくださいね。

ヤンニョムができたら、味がなじむまで10分くらい置いておきましょう。

8.ヤンニョムときゅうりを合わせる

浅漬けタイプの場合は、ヤンニョムのボウルに塩漬けしたきゅうりを入れて混ぜるだけ(混ざったら消毒した密閉容器に詰めてください)↓


発酵させるタイプの場合はきゅうりの切り込みにヤンニョムを入れ、まわりにヤンニョムをぬってから消毒済みの密閉できる保存容器に空気を抜くように詰めていきます↓

9.発酵させる

浅漬けタイプは作って即日食べられますが、ふたをして冷蔵庫で1日置いてから食べるとより美味しくなりますよ。

発酵させるタイプの場合は軽くふたをして常温で1日(夏)~2日(冬)置いたら完成です。
その後しっかりふたをしてから冷蔵庫に入れ、さらに1週間おけば酸味を出すこともできるので好きな段階で食べてくださいね。

ちなみにオイキムチからだんだん水分が出てきますが、この水分はキムチスープや冷麺などに入れると美味しく消費できます^^

オイキムチの賞味期限と消費期限

浅漬けタイプ
  • 賞味期限:約3〜5日
  • 消費期限:約7日以内
発酵させるタイプ
  • 賞味期限:約5〜7日
  • 消費期限:約10日以内


きゅうりは水分が多くて傷みやすい野菜なので、オイキムチにしてもそんなに長くもたないんですよ。

塩漬けでしっかり水分を抜いてから作ったとしても、発酵が進むにつれ水分がたくさん出てくるので私は2週間を超えての保存はおすすめしません。
作ったら早めに食べきるようにしましょう。

もし期限内だったとしてもきゅうりの水抜きや道具の殺菌が甘かった場合、オイキムチがダメになる可能性もあります。

  • お酢のような強い酸味や香り
  • 白っぽい膜
  • ぬめりや変色

が出たら食べないでくださいね。

ということで、本場韓国のオイキムチ(とオイソバギ)の作り方を見てきました。
ちょっと長くなったので最後に要点をまとめておきましょう。

まとめ

  • オイキムチの作り方は
    1. きゅうりの両端を切り落とし3等分にする
    2. きゅうりを縦に十字で切る、もしくは切り込みを入れる
    3. きゅうりを塩漬けする
    4. ヤンニョムを作り、きゅうりを合わせる
    5. 発酵させる

    である。

  • 発酵期間は浅漬けタイプなら冷蔵庫で1日、しっかり発酵させるなら常温で1日(夏)~2日(冬)


今回はヤンニョムに入れる野菜をにら or 青ねぎと玉ねぎで紹介しましたが、家庭によっては人参を入れるところもあります。

ただ、きゅうりの風味を邪魔するとか生の人参に含まれるアスコルビナーゼがきゅうりのビタミンCを壊すとかで入れる入れないがあるので今回はなしにしました。

なので、もしそういうのは気にならない、オイキムチの彩りを良くしたり食感を変えたりしたい、なんてときは人参もぜひ入れてみてくださいね^^

ハピパリ運営者 “ すえさや ” ってどんな人? 

  • 「広島県」出身の「福岡県」住まいのアラサー主婦(生い立ち
  • 発酵食品と猫LOVE
  • ゲームも好き
  • 韓国語の勉強中

SNS

SNSではブログに載せていない写真だったり、お話をしています

  • Instagram
    ↑ 猫メイン(=・ω・=)♥(写真がたくさん溜まったら一気にあげるスタイル)
  • X(旧:Twitter)
    ↑ 新着記事の情報、その他たま~~~につぶやきます
  • 公式LINEアカウント
    ↑ 新着記事の情報、ブラッシュアップ記事の情報をお知らせ(個別チャットで発酵食品についての相談も受け付けております)