「ぬか床の表面にカビっぽいものが…これってカビ?」
「カビと産膜酵母の見分け方を知りたい!」



こんにちは、発酵食品マニアのすえさやです^^

ぬか床にカビっぽいものができていたらめっちゃ焦りますよね!
私もぬか床を始めたころ、中を見て驚愕したことがあります^^;

「白い!カビ!?いやこれはぬか床によく出ると聞く産膜酵母というやつでは?いや、やっぱカビか!?」って(ちなみに産膜酵母は酵母菌の一種で体に害はありません)

こういうときすぐに見分けられたらいいんですけど、自分の見分け方に自信が持てないって人は結構多いはず。

とはいえカビか産膜酵母かでその後の対処が違うので、見分けはできないといけません。


そこで今回はぬか床にカビ(2回)と産膜酵母(何回か覚えてない)を生やしたことのある私が「カビと産膜酵母の見分け方」と「その後の対処法」についてお話ししていきますね。

見分けられるようになるためにも、ぜひ最後までご覧くださいませ。


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ぬか床のカビと産膜酵母の見分け方!ポイントは3つ


ぬか床の表面にできるものがカビか産膜酵母か見分けるのって、実はそんなに難しいことじゃないんですよね。

私はカビも産膜酵母も生やしたことがあるので分かるんですけど、この2つは似ているようで全然似ていません

だから違いさえ覚えていればあなたもぬか床に生えているのがカビなのか産膜酵母なのか見分けられるようになりますよ。


じゃあ、そのカビと産膜酵母を見分けるためのポイントはなんなのか?
それは下のとおりになります^^

ぬか床のカビと産膜酵母の見分け方 3つ
  1. 質感
  2. 生え方


この項目を見てカビについてはなにか「ピン!」とくるものがあるかもしれませんが、産膜酵母についてはきっとよく分からないことが多いと思います。

でも大丈夫!
これからこの3つのポイントごとにカビと産膜酵母でどう違うのか、実際に画像を見ながらお話ししていくので絶対に分かるようになるはず^^

すえさやすえさや

これからカビの画像が出るので、お食事中には見ないでください m(._.)m

では最初にカビと産膜酵母の色からお話していきますね。

ぬか床のカビと産膜酵母の見分け方その1:色

カビはとても有名な菌なので、その特徴をあなたも知っているはず。

色が青だったり緑だったり赤だったり…とにかく色んな色がありますよね。
でも産膜酵母はカラフルではありません

なのでぬか床にできたものがカラフルだったら、それはもうカビです^^;

↓これは白い産膜酵母をベッドに灰色のカビが生えています

でも!
ここで注意したいのが、カビによくある灰色や白色は産膜酵母にもあるというところ。

なので、ぬか床の表面にできたものが灰色や白色だったときは次のポイントをチェックしてみましょう。

すえさやすえさや

ちなみに私のぬか床に産膜酵母ができた場合、普段は白色のものができるんですが、足しぬかを長期間していなかったりすると灰色のものができたりします^^

ぬか床のカビと産膜酵母の見分け方その2:質感

ぬか床の表面にできたものが白色や灰色の場合、その質感を見てみてください。

産膜酵母だったらぬか床の水分量によってベチャッとしている場合もありますが、たいていシュガーパウダーをふりかけたような…言葉にするのが難しいですけど、とにかく産膜酵母にケバケバ感はないんです。

だから、もしもぬか床の表面にできたその物体がふわふわケバケバしていたらそれはもうカビになります。

↓上は産膜酵母、下がカビ

こうしてみると産膜酵母のふわふわ感のなさが分かると思います。
とはいえまだ出来始めでよく見えなくて分からない…って場合もあるでしょう。

そんなときは質感とともに次のポイントも一緒にチェックしてみてください^^

ぬか床のカビと産膜酵母の見分け方その3:生え方

カビと産膜酵母の見分け方の最後のポイントは生え方なんですが、これが意外と大事だったりするんですよ。

とくにカビの色が産膜酵母と同じで、しかもふわふわかどうか分からない場合、産膜酵母との見分け方はこれしかありませんからね。


そんなカビと産膜酵母の生え方の違いはずばり「表面全体を覆うように生えていれば産膜酵母、ポツポツとまばらに生えていればカビ」です!

↓上は産膜酵母、下はカビ

ちなみに下のぬか床が異様に黄色いのはもともと黄色強めのぬか床だったからで、こちらは産膜酵母もできていますね。

産膜酵母は生えはじめのころでも薄っすらと全体を覆ってできるので、もしぬか床にできているものが小さくてもポツポツと生えていればそれはカビということになります^^


ということで、ここまでがカビと産膜酵母の見分け方のお話でした。

どうですか?
あなたのぬか床にできたものはカビでしたか?産膜酵母でしたか?

すえさやすえさや

見分け方が難しいのって、カビも産膜酵母もだいたい初期のころですよね。
この3つのポイントで1番大事なのは「生え方」なので、そこをよく見るようにしてください^^

さて、ぬか床に生えたのがどちらかが分かったら次は対処です!

産膜酵母は体に害はないとはいえ、ぬか床の状態が悪いというサイン。
この機会にしっかり対策を行っておきましょう。


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もしぬか床にカビor産膜酵母ができたら?


ぬか床にできたのがカビであっても産膜酵母であっても、ぬか床が正しい状態ではないことに違いはないので、なにかしらの対処をしないといけません。

そこでここからはカビと産膜酵母それぞれに合わせた対処法をお話していくので、ぜひあなたのぬか床に合わせて行ってあげてくださいね。


ではまず、産膜酵母ができた場合の対処法から見ていきましょう。

ぬか床に産膜酵母ができてしまったら…

そもそも産膜酵母は体に悪いものではありません。
なので少しぬか床にできているくらいならそのまま混ぜ込んでしまってOK!

ただ、産膜酵母が大きく育ってしまっている場合はたいていぬか床もシンナー臭くなっているはず^^;
そんなときに産膜酵母を混ぜ込んでしまうとぬか漬けの味まで悪くなってしまうので、産膜酵母をすべて取りのぞいてください。


それとこれは産膜酵母の大きさに関係なく、ぬか床に産膜酵母ができるということはぬか床の表面が

  • 空気に触れすぎている
    →産膜酵母は空気が好きなので、長時間空気に触れていると増えすぎてしまう
  • 塩分濃度が低くなっている
    →塩分濃度が低いと活発に動いて増えやすくなる
  • 水が溜まっている
    →水が多いと塩分濃度が低くなってしまう

ということです。

なので、かき混ぜを毎日やりながらぬか床の塩分と水分を調節していきましょう。

ぬか床の産膜酵母を混ぜ込んだor取りのぞいた後の対処法

  1. ぬか床を冷蔵庫で管理している場合は、1ヶ月ほど室温(24~26度)で管理する
    ※減ってしまった乳酸菌を増やすため
  2. ぬか床1kgあたり、米ぬか(1カップ)と塩(小さじ2)を混ぜる
    ※米ぬかは乳酸菌のエサや水分調節、塩は雑菌が増えるのを予防する役割
  3. 1日1回かき混ぜる
    ※ぬか床の表面がずっと空気に触れ続けないようにするため
  4. 塩がぬか床になじむ3日目くらいからキャベツの葉を1枚ぬか床に漬け、5日に1回取り替える
    ※野菜についている乳酸菌や栄養を含む水分をぬか床にうつすためなので、ぬか床からキャベツを野菜を取り出すときはしぼってエキスをぬか床に入れること
    ※漬かってない場合、塩分不足なので塩小さじ1を混ぜて3の工程に戻る
  5. 漬けては取り替えるのを3回ほどくり返したら、ぬか床を味見して酸味が出ていることを確認する(酸味が確認できなかったら捨て漬けを継続)
  6. ぬか床に酸味があれば乳酸菌が戻った証拠なので、冷蔵庫に戻してOK!



これでぬか床に産膜酵母ができた場合の対処法は以上です^^

ここからはぬか床をおかしくしないように、かき混ぜや水分・塩分管理のお世話をしていくだけ!頑張りましょう!


では、次ですが…次は産膜酵母よりもやっかいなカビがぬか床にできてしまった場合の対処法ですね。

ぬか床にカビができてしまったら…

ぬか床にカビが生えてしまった場合、残念ですが元に戻せるのはカビがポツ…ポツ…とあるくらいの軽いものだけです。

カビが大きかったりたくさん生えている状態だとカビの根もかなり深いし、胞子も結構出ているはず。

だからカビが酷い場合は思い切って全部捨てて、また新しく始めましょう。


そしてぬか床にカビが生えるのは

  • ぬか床をかき混ぜていない
    →乳酸菌にはカビ菌の増殖を防ぐ力があるが酸素が苦手なのでぬか床内部に移動してしまう
    →かき混ぜていないと乳酸菌が表面に少なくなり、カビ菌が増殖しやすくなる
  • 塩分濃度が低くなっている
    →塩分濃度が低いと乳酸菌だけでなく、ほかの菌も増えやすくなる
    →カビは塩分に弱いので塩分さえしっかりしていればカビは結構防げる
  • ぬか床の水分量が多い
    →ぬか床の水分が多いと塩分濃度が低くなる
    →この状態でかき混ぜをしなかったら乳酸菌の少ない表面では雑菌が増え放題!カビも生えやすい!

が原因なので、新しく始める場合はこれらのことに気をつけてお世話してあげてください。

ぬか床のカビが軽い場合はこれからお話する対処法でカビを取りのぞきつつ、これらのカビが生える原因を消していきましょう。

ぬか床にカビが生えたときの対処法

  1. 食品用アルコール(なければアルコール35度以上のホワイトリカーまたは甲類焼酎)を用意する
  2. スプーンを食品用アルコールで消毒し、カビが生えた部分を大きく取りのぞいて捨てる(深さ5cm)
    ※カビ菌を広めないために、ぬか床をすくうたびに必ず消毒すること
  3. 胞子がとんでいると嫌なので表面を深さ2cmほど取りのぞいて捨てる
  4. 容器の周りやふたを食品用アルコールで拭く
  5. ぬか床の量が少なくなっているので、ぬか床1kgあたり米ぬか(1カップ)と塩(小さじ2)を混ぜる
    ※もし塩とぬかが一緒になっているものを使っているなら、それを1カップと塩小さじ1をプラスして混ぜればOK。
  6. 3日ほど室温でかき混ぜるだけのお世話をする
    ※室温で減ってしまった乳酸菌を増やす
  7. キャベツの葉を1枚ぬか床に漬け、5日に1回取り替えるのを3回ほど繰り返す
    ※野菜についている乳酸菌や栄養を含む水分をぬか床にうつすためなので、ぬか床からキャベツを野菜を取り出すときはしぼってエキスをぬか床に入れること
    ※漬かってない場合、塩分不足なので塩小さじ1を混ぜて6の工程に戻る
  8. ぬか床を味見して酸味が出ていれば、もう冷蔵庫に戻して大丈夫(酸味が出てなかったら捨て漬けを継続)



すえさやすえさや

ちなみに私のぬか床はぬかだけで4kg以上あるので、これくらいのカビなら修復可能です(半分くらいは捨てる羽目になりますが…)

ぬか床が1~2kgでこの量のカビならもう問答無用で廃棄してください。

カビがポツポツできている場合も、戻すのが面倒な場合や心配なときは思い切って捨てるのもアリですよ!

私は元に戻してきたけど、なおしてすぐは絶対に「お腹を壊さないかな…」とドキドキしながら食べることになるし^^;

それだとせっかくのぬか漬けがもったいなく感じるし、次頑張ればいいのです。次頑張れば。

注意!カビをぬか床に混ぜ込むのは絶対ダメ!

「青カビ(青色や緑色のカビ)はブルーチーズに、白カビ(白色のカビ)はカマンベールチーズに使われているから平気~」と思うかもしれませんが、食べ物に使われるのはそれ専用に培養されたカビなので放置してできたカビとは別物です。

他の種類のカビと一緒に生えていることも多いので、絶対混ぜ込まないようにしましょう。


ということで、ここまでカビと産膜酵母の見分け方からその後の対処法までお話ししてきました^^

結構長くなってしまったので、最後に要点だけまとめておきますね。

まとめ

  • ぬか床のカビと産膜酵母の見分け方には
      • カビはカラフル
      • 産膜酵母は白色か灰色
    1. 質感
      • カビはケバケバふわふわ
      • 産膜酵母はシュガーパウダーをかけたみたい
    2. 生え方
      • カビはポツポツ
      • 産膜酵母は表面全体を覆う

    の3つのポイントがある

  • ぬか床に産膜酵母ができたら、少量ならそのまま混ぜ込んで大量ならその部分を取りのぞく。
  • ぬか床にカビができたら、食品用アルコールで消毒したスプーンでカビ部分と表面を大きく取りのぞいて捨て、容器の周りやふたを食品用アルコールで拭く。
  • ぬか床を正常に戻すため、常温管理で足しぬかと捨て漬けを行う。


ぬか床は正しくお世話をしていれば、産膜酵母もカビも生えることはありません。

でもやっぱりお世話をサボることも…そりゃありますよね^^;
そんなふうにぬか床への熱が冷めてしまったときは一度止めて、やりたくなったらまた再開しましょう!

ぬか床は冷蔵庫に入れておけば常温で管理するよりお世話は楽になるけど

  • かき混ぜ
  • 塩や米ぬかを足す
  • 増えた水分を抜く

という作業はなくならないので、面倒だと思っているとなぁなぁになって必ずやらかします(経験談)

産膜酵母やカビが生えるということはどれかのお世話ができていないということなので、ここでぜひ1度ふり返ってみてくださいね^^


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ぬか床の足しぬかのやり方!頻度や分量&入れすぎたときの対処法は?

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ぬか床の水抜き方法は4つ!ズボラさんもこれだけで簡単OK!

「ぬか床のお世話について」電子書籍あります

私は今でこそ色んなぬか漬けを楽しんでいますが、最初からサクサクできていたわけではありません。
ぬか床のお世話方法も含め、なにからなにまで全て祖母のおかげ。

ぬか漬け歴50年以上の祖母に教えてもらったこと、そのときのやりとりを忘れないように…という個人的な目的がメインでもありますが、せっかく教えてもらったんだから私の経験談とともにあなたにも共有できたら…と1冊の本にしました。

ぬか床に慣れていないあなたの助けに少しでもなれれば嬉しいです。

本のもくじ

1.ごあいさつ
 1-1.すえさやはこんな人です!
2.それではさっそく!ぬか床をどこで管理しましょう?
 2-1.冷蔵庫管理にはメリットが3つ
 2-2.冷蔵庫での管理にはデメリットも…
 2-3.常温管理だとメリットは3つ
 2-4.常温での管理にもデメリットが…
3.ぬか漬けの美味しさのカギは「かき混ぜ」
 3-1.あなたのぬか床に合った混ぜる頻度は?
 3-2.ぬか床を適当に混ぜるのはNGです
 3-3.かき混ぜは素手か手袋か?
4.ぬか床がビシャビシャ。それマズくなる原因です!
 4-1.ちょっとの水抜きなら「キッチンペーパー」におまかせ
 4-2.水たまりも「水抜き器」なら楽~に対処できる
 4-3.水抜きできて、しかも美味しい「乾物」
5.ところで、足しぬかのやり方知ってる?
 5-1.お手製ぬか床にこだわるなら「ぬかも塩も自分で用意」
 5-2.時間もお世話も楽に短縮するなら「市販の粉末ぬか床」
 5-3.ブランドの味でぬか漬けを食べたいなら「市販の熟成ぬか床」
 5-4.足しぬかの頻度?タイミングを見て決めるんだ!
6.【番外編】ぬか床さんお留守番(お休み)をお願いします!
 6-1.1週間くらいの留守ならコレとアレに気をつけるべし
 6-2.長期の留守またはぬか床をお休みさせるなら
7.おわりに

電子書籍はAmazon kindleにて販売しており、Amazon kindleUnlimited(読み放題)にも対応しています。
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