「ぬか床は冷蔵庫と常温、どっちで保存したほうがいいの?」


こんにちは、発酵食品マニアのすえさやです^^

最近は市販でもいろんな種類のぬか床を見かけるようになりましたね。
ぬか漬けをする人が増えたんだなぁと嬉しく感じている私ですが、ふと市販のぬか床を見てみると気になる記述がありました。
それは保存方法に関してなんですけど「冷蔵庫での保存がおすすめですが常温でも保存できます」というもの。

これ、どっちにすればいいのか迷いません?
だって食材の保存といえば冷蔵庫、だけどぬか漬けは冷蔵庫がない時代から食べられていたし常温でも良い気がする…。

ちなみにぬか漬けを作っている私は「常温保存」をしているんですけど、実はぬか床の保存方法って冷蔵も常温もどっちにも良いところと悪いところがあるんですよね。

だから大事なのは冷蔵庫保存と常温保存それぞれのメリットとデメリットを知って、自分のライフスタイルにあった方法を選ぶことなんです。


そこで今回は冷蔵庫保存と常温保存それぞれのメリット&デメリットをお話しするので、ぜひあなたに合った保存方法を見つけてみてくださいね。

それではまずは「ぬか床の冷蔵庫保存」についてのお話から。


スポンサーリンク

ぬか床を冷蔵庫で保存するとどうなる?


私はぬか床のお世話の仕方を祖母に教えてもらったので、保存方法も祖母と全く同じ「昔ながらの常温保存」。
それでずっとやってきたので、最初は市販のぬか床がどうしてこんなにも「冷蔵庫保存」が主流なのかよく分からなかったんですよ。

だから試しに7月~10月の間、ぬか床を冷蔵庫で保存してみることにしました。
すると常温保存では分からなかった「冷蔵庫保存のメリット&デメリット」を知ることができたので、それをあなたにお話ししますね。

ぬか床を冷蔵庫で保存するメリットは3つ!

~ぬか漬け盛り合わせ~

冷蔵庫保存のメリットその1:かき混ぜる回数が少なくて済む

ぬか床のかき混ぜは特定の菌が増えすぎないように行うんですが、冷蔵庫だと温度が低いのでそもそも菌がそんなに増えません。
だからぬか床のかき混ぜ回数も少なくて済むんですよね。

とくに7月~10月は暑いので、常温保存だとクーラーをつけていても「1日に2~3回」のかき混ぜが必要なんですけど、冷蔵庫なら「2~3日に1回」でOK。
だから常温に比べるとお世話がめちゃくちゃ楽でした!

冷蔵庫保存のメリットその2:ぬか床がカビにくい

冷蔵庫保存では菌自体の増殖が抑えられるので、水分を含んでいるぬか床でもカビが生えにくくなります。

常温保存だと塩分濃度が低かったり乳酸菌が少なかったりするとカビが生えてしまうんですが、冷蔵庫だと塩分や酸味が少なくてもある程度はカビが生えることがありません。

とくに夏場は気温も湿度も高いので、カビに神経質にならなくてもいい冷蔵庫保存は気持ちの面でもかなり楽でしたね。

冷蔵庫保存のメリットその3:最初から冷たいぬか漬けが食べられる

常温で漬けていると、夏場はどうしてもぬるい温度のぬか漬けが出来上がります。
だから食べる前に1度冷蔵庫で冷やさないと美味しくいただけないんですよ。

でも冷蔵庫で保存していると、ぬか漬けが最初から冷たい!
ぬか漬けの香りがとんでいない、取り出してすぐの一番美味しいときにご飯と食べられるのはとても良かったです。



ということで、ここまで冷蔵庫保存のメリットばかりお話ししてきましたが、デメリットもあったのでそっちもご紹介。

ぬか床を冷蔵庫で保存するデメリット2つとは?

~足しぬかをしても冷蔵だとなかなか発酵しません~

冷蔵庫保存のデメリットその1:乳酸菌が減っていく

冷蔵庫の温度は雑菌が増えるのを抑えてくれますが、乳酸菌が増えるのも抑えてしまうんですよね。
だから冷蔵庫でぬか床を保存しているとだんだん酸味のないぬか漬けになっていってしまいます。

すえさやすえさや

ちなみに私のぬか床の場合は、最初の2週間くらいは美味しかったものの、3週間目くらいから味気ないぬか漬けができるようになりました^^;

乳酸菌が出す乳酸はぬか漬けの旨味のひとつであると同時に、雑菌が増えるのを抑える働きもあるので乳酸菌が減っていくのはよくありません。

なので、乳酸菌のためにも1週間のうち1日~2日は常温に置いておくことをおすすめします。

★もしも酸味がなくなったらこちらをどうぞ
ぬか漬け歴50年以上の祖母直伝!乳酸菌を増やすコツ5つとは?

冷蔵庫保存のデメリットその2:漬かるのに時間がかかる

冷蔵庫保存は菌の活動が鈍るので、食材の漬かりも当然遅くなります。
例えば比較的早く漬かる「きゅうり」でも夏場の常温だと4時間くらいでできるものが、冷蔵庫では半日~1日。
さらに漬かるのに時間がかかる食材だと冷蔵庫では倍の時間がかかることもあるんですよ。

ぬか漬けをあまり食べない人は困りませんが、毎日食べる人にとっては冷蔵庫保存ってちょっと不便に感じるかもしれません。


ということで、ここまでぬか床の冷蔵庫保存について見てきました。
次は昔ながらの「常温保存」についてお話ししていきますね。

ぬか床の常温保存は昔ながらの方法!


昔は冷蔵庫がなかったので、ぬか床は常温で保存するのが普通でした。

…が、最近の夏は昔よりも暑いし冷蔵庫で保存したほうが安心ですよね。
でも私はど~しても昔ながらの方法にこだわりたくて、ぬか漬けを常温で漬け続けて50年以上の祖母に色々と教えてもらって毎日ぬか床のお世話をしています。

冷蔵庫保存にメリットとデメリットがあったように、常温保存にもメリットとデメリットがあるので、これからお話ししていきますね。
ぬか床の冷蔵庫保存が主流の今、常温保存についても知ってもらえると嬉しいです^^

ということでさっそく「常温保存のメリット」を見ていきましょう。

ぬか床を常温で保存するメリット3つとは?

常温保存のメリットその1:ぬか漬けが早くできる

常温保存だと乳酸菌の動きが活発なので、食材が早く漬かるんですよね。
漬かるのに時間がかかりがちな根菜類(大根や人参など)も夏場の常温だと半日あればOKです(ちなみに冷蔵庫だと漬かるのに1日~1日半くらいかかる)

我が家ではぬか漬けをよく食べるし夫の実家にも持っていくことが多いので、漬かりが早いのはかなり助かります。

常温保存のメリットその2:ぬか床自体が美味しくなる

常温でぬか床を保存するといろんな菌が活発に動くんですが、これによってぬか床はどんどん発酵!
ほどよい酸味に旨味を持ち合わせた、最高に美味しいぬか床が出来上がるんですよ。

美味しいぬか床はぬか漬けだけじゃなく「料理」にも使えるので、ぬか床の使い道もかなり広がります。
ぬか漬けのぬかを食べる!今すぐできる美味しいレシピ3つとは?

でもこれって、ぬか床がちゃんと発酵しているからできることなんですよね。
だって発酵が足りてないぬか床を食べてみたけど、ヌカ臭いし塩辛いしで全然美味しくなかったから^^;

ぬか床の美味しさはぬか漬けの美味しさなので、味にこだわるなら常温保存ほうがやっぱり良いんですよね。

常温保存のメリットその3:自分の行いの反応が返ってくる

常温保存は冷蔵庫保存と違って、自分のやったことの結果が比較的すぐにぬか床から返ってきます。

どういうことかというと、お世話をサボると酸味が強くなったり臭いがおかしくなったりの異変が出るし、旨味を増やすために昆布や山椒を入れれば1~2週間後には馴染んでぬか床が美味しくなる…みたいな感じ。


私は4ヶ月冷蔵庫でぬか漬けを保存しましたが、愛着がわいたのはやっぱり常温の方でした。
常温保存のぬか床は生きている感じ、冷蔵庫保存のぬか床はずっと眠っている感じがしたんですよね。

なのでお世話は大変だけど

  • 実験が好きな人
  • 変化を楽しみたい人
  • お世話が好きな人

は、常温保存が向いていると思いますよ。


ということで、ここまでぬか床の常温保存のメリットについて見てきました。
もちろんぬか床の常温保存にもデメリットはあるので、次はそちらについて見ていきましょう。

ぬか床を常温で保存するときのデメリットは2つ!

~常温保存はかき混ぜ必須!~

常温保存のデメリットその1:夏場のお世話が大変

常温でぬか床を保存するときに一番大変なのはやっぱり「夏場」。
乳酸菌が活発に動くのは20~25度なんですけど、30度近くなる夏場は乳酸菌だけでなく色んな菌が増えます。

ぬか床内の菌バランスが崩れると、

  • 酸っぱくなりすぎる
  • シンナー臭がする
  • ぬか床の表面が白くなる

などの異変が起こるので、これらを防ぐためにも「かき混ぜ」が本当にすごくすごく大事になってくるんですよね。

1日でもサボろうものならもう…ぬか床の表面が変な色になったり変なニオイがしてきたりするので、夏場のかき混ぜはサボれません。

それでも我が家は室温を25度くらいに保っているので、かき混ぜは1日に2~3回と楽なほう。
祖母宅はクーラーがない場所にぬか床があるので、ぬか床にラップをひいて保冷剤を置いたり、かき混ぜを1日5~6回やったりとかなり大変みたいです^^;

★ぬか床の臭いや味が気になるときはこちら
ぬか床で起きる6つの臭いの解決法とは?達人の祖母&マニアがご紹介!
ぬか漬けがまずい!6種類の困った味を美味しく戻す方法とは?

常温保存のデメリットその2:雑菌が増殖しやすいので油断できない

冷蔵庫では雑菌の増殖が抑えられますが、常温ではそうはいきません。
常温だと乳酸菌が元気なように雑菌も元気なので、冷蔵庫保存に比べると常温保存は「早くカビが生えやすいし腐りやすい」んですよね(とくに梅雨や夏場は要注意!)

とはいえ、ちゃんとお世話をしていればぬか床がカビたり腐ったりすることはありません。
乳酸菌がしっかり元気なら雑菌が入ってきたとしても自分たちで雑菌を殺してしまうし、乳酸菌の出す乳酸やぬか床の塩分には雑菌の増殖を抑える効果もあるので^^

常温保存で大事なのは、とにかく毎日お世話をして「ぬか床内の菌バランスをちゃんと保つ」ことです。
だからぬか床のお世話に慣れていない人にとって、常温保存はハードルが高いのかもしれませんね…。

私もぬか漬けを始めて最初の1年は祖母にダメ出しばかりされていたので、安心してぬか漬けを作りたいなら冷蔵庫のほうがおすすめかな~と思います。


ということで、ここまでぬか床の冷蔵庫保存と常温保存、それぞれのメリット&デメリットを見てきました。

でも冷蔵庫保存か常温保存を選んだところで、どっちにしろアノ問題が気になりますよね?
そう、臭いもれと虫です。

冷蔵庫保存は閉め切っているから臭いが充満しそうだし、常温保存は虫の侵入が気になる…なんて思っている人は結構多いはず…。

そこで次は「臭いもれと虫の対策法」についてお話ししていきますね。


スポンサーリンク

ぬか床の臭いや虫の侵入を防ぐには?

~この上に蓋をして虫予防~

ぬか床の臭いをもれさせないためには、容器の蓋をきっちり閉めておけば問題ありません。(タッパーみたいに)

でも祖母いわく、ぬか床って基本的に「密封しないほうがいい」みたいなんですよね。

なんか密封にすると空気が苦手な菌だけが増えやすくなったり、水滴がついた部分に雑菌が増えたりしやすくなるんですって。

冷蔵庫保存なら菌自体の動きも鈍くなっているので、閉めたままでもある程度の時間は大丈夫だと思いますが

  • 長期間の放置
  • ぬか床の水分管理のサボり

はしないようにしましょう。

そして常温でぬか床を保存するときは密封せず、ガーゼや不織布をかぶせてゴムでとめその上に蓋をかぶせるようにてしてくださいね。
常温保存でぬか床を密封していると、冷蔵庫保存よりもカビが生えやすいので要注意です。

密封していないとぬか床の臭いが気になるかもしれませんが広い場所に置いておけば気になりませんし、目の細かい布をかぶせておけば虫も入りません。

祖母いわく虫予防のためにぬか床にかけるものは

  • 目の細かいガーゼ
  • 手ぬぐい
  • 薄いハンカチやタオル

でもいいとのことなので、お家にある清潔なものを使ってくださいね。

ちなみに、この虫予防は冷蔵庫保存しているぬか床を一時的に常温に置いておくときにも使えますよよ。

すえさやすえさや

私も冷蔵庫で保存していたとき、冷蔵庫内では密封、週に1~2日常温に置くときは手ぬぐい+ゴム(蓋はその上に軽く置く)ようにしていました。

ということで、ここまでぬか床の冷蔵庫保存と常温保存について見てきましたが…。
ちょっと長くなったので、それぞれのメリット&デメリットを最後にまとめておきました。
復習がてら振り返ってみてくださいね。

まとめ

  • ぬか床を冷蔵庫で保存するメリット3つは
    1. かき混ぜる回数が少なくて済む
    2. ぬか床がカビにくい
    3. 最初から冷たいぬか漬けが食べられる

    で、デメリット2つは

    1. 乳酸菌が減っていく
    2. 漬かるのに時間がかかる

    ことである。

  • ぬか床を常温で保存するメリット3つは
    1. ぬか漬けがすぐにできる
    2. ぬか床自体が美味しくなる
    3. お世話のしがいがある

    で、デメリット2つは

    1. 夏場のお世話が大変
    2. 雑菌が増殖しやすいので油断できない

    ことである。

  • ぬか床の臭いをもれさせないために容器の蓋をきっちり閉めてもいいが、ずっと密封したままにしないこと。
  • 蓋をしっかり閉めないときはガーゼなどをかぶせてゴムでとめ、虫の侵入を防ぐこと。


ぬか漬け生活を長~く続けるコツは、ぬか床を自分のライフスタイルに合った方法で保存することです。

私は1日中家にいるのでぬか床を常温保存にしていますが、外に出ている時間が長かったりするとかき混ぜはできませんよね。
だからそういう場合は常温よりも冷蔵庫保存のほうが向いているでしょう。

それと季節によって保存方法を変えるというのもアリ!
暑い夏だけ冷蔵庫に入れて、あとは常温で保存するとか。

とにかく無理をせずにぬか床と付き合っていくのが、長くぬか漬けを続けていくためのポイントです^^


「ぬか床のお世話について」電子書籍あります

私は今でこそ色んなぬか漬けを楽しんでいますが、最初からサクサクできていたわけではありません。
ぬか床のお世話方法も含め、なにからなにまで全て祖母のおかげ。

ぬか漬け歴50年以上の祖母に教えてもらったこと、そのときのやりとりを忘れないように…という個人的な目的がメインでもありますが、せっかく教えてもらったんだから私の経験談とともにあなたにも共有できたら…と1冊の本にしました。

ぬか床に慣れていないあなたの助けに少しでもなれれば嬉しいです。

本のもくじ

1.ごあいさつ
 1-1.すえさやはこんな人です!
2.それではさっそく!ぬか床をどこで管理しましょう?
 2-1.冷蔵庫管理にはメリットが3つ
 2-2.冷蔵庫での管理にはデメリットも…
 2-3.常温管理だとメリットは3つ
 2-4.常温での管理にもデメリットが…
3.ぬか漬けの美味しさのカギは「かき混ぜ」
 3-1.あなたのぬか床に合った混ぜる頻度は?
 3-2.ぬか床を適当に混ぜるのはNGです
 3-3.かき混ぜは素手か手袋か?
4.ぬか床がビシャビシャ。それマズくなる原因です!
 4-1.ちょっとの水抜きなら「キッチンペーパー」におまかせ
 4-2.水たまりも「水抜き器」なら楽~に対処できる
 4-3.水抜きできて、しかも美味しい「乾物」
5.ところで、足しぬかのやり方知ってる?
 5-1.お手製ぬか床にこだわるなら「ぬかも塩も自分で用意」
 5-2.時間もお世話も楽に短縮するなら「市販の粉末ぬか床」
 5-3.ブランドの味でぬか漬けを食べたいなら「市販の熟成ぬか床」
 5-4.足しぬかの頻度?タイミングを見て決めるんだ!
6.【番外編】ぬか床さんお留守番(お休み)をお願いします!
 6-1.1週間くらいの留守ならコレとアレに気をつけるべし
 6-2.長期の留守またはぬか床をお休みさせるなら
7.おわりに

電子書籍はAmazon kindleにて販売しており、Amazon kindleUnlimited(読み放題)にも対応しています。
気になる方はこちらからどうぞ


ハピパリ運営者 “ すえさや ” ってどんな人? 

  • 「広島県」出身の「福岡県」住まいのアラサー主婦(生い立ち
  • 発酵食品と猫LOVE
  • ゲームも好き
  • 韓国語の勉強中

SNS

SNSではブログに載せていない写真だったり、お話をしています

  • Instagram
    ↑ 猫メイン(=・ω・=)♥(写真がたくさん溜まったら一気にあげるスタイル)
  • X(旧:Twitter)
    ↑ 新着記事の情報、その他たまにつぶやきます
  • 公式LINEアカウント
    ↑ 新着記事の情報、ブラッシュアップ記事の情報をお知らせ(個別チャットで発酵食品についての相談も受け付けております)

この記事と関連のある記事(一部広告を含む)